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2017.08.17

健康であるための正しい食事のとり方(食後の血糖値を上げすぎないための食事方法)

最近、AGEs(終末糖化産物)という言葉を耳にするようになりましたが、これは血液中のブドウ糖(血糖)が高濃度ですと体を構成するタンパク質と結合しAGEsという色々な病気や老化の原因となる物質が作られるというものです。 

生の豚肉がハムになるような現象で、動脈硬化や腎不全、アルツハイマー病、骨粗鬆症(骨折しやすくなる)はじめ、活性酸素の発生原因としての有害性も危惧されている毒性のある物質です。

糖尿病にならないためにも、AGEs(終末糖化産物)の生成を予防するためにも、食事後の血糖のコントロールは重要であり、その正しいコントロール方法(正しい食事の方法)について説明します。

三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)の中で、脂質とタンパク質は食後すぐに血糖を上げることはありませんが、タンパク質はインスリンの分泌を促します(インスリン分泌量は動物性タンパク質の摂取量にほぼ比例します)。

炭水化物は摂取量が同一カロリー量であっても、食事のとり方によって食後の血糖値の上がり方もインスリン分泌量も異なってきます。そのため、炭水化物のとり方が、正しい食事方法であるか否かの決め手となります。

要は、「食後の血糖を上げすぎないこと」と「インスリンを過剰に分泌させない」ことが正しい食事の為の基本ということです。

血糖値を上げすぎない(インスリンの無駄使いをしない)食事のとり方

①血糖上昇の緩やかな食品や組み合わせにする(GIの活用法など)

糖質は消化されるとブドウ糖や果糖、ガラクトース(乳糖の一成分)といった最小の単位まで分解され、体内へと吸収されます。

ブドウ糖はインスリン分泌を強く促しますが、果糖やガラクトースは吸収後すぐに血糖を上げることはなく、インスリン分泌を強く促すこともありません。たとえ、計算上のカロリーが同じ食事であっても、食べる食品の種類の違いや、単品か複数の食品の組み合わせ、食事時の体調(絶食、運動、休養などの体内グリコーゲンの蓄積状況の違い)などによって、食べた物の消化吸収速度は異なり、インスリンの分泌量も血糖値の上がり方も異なってきます。

●グリセミック指数(GI値)の活用法!

GI値は食品単品の血糖値の上がりやすさの目安として使うことができ、数値の大きなものほど短時間で血糖値を上げやすく、インスリン分泌を強く刺激します。以下に、各々の単品の食品を摂取したときのGI値を示します。

・玄米(GI値:56)<精白米(GI値:84)

・ソバ(GI値:59)<うどん(GI値:80)

・果糖(GI値:30)<ブドウ糖(GI値:100)

・ブドウ糖(GI値:100)<麦芽糖(GI値:108)

・全粒パスタ(GI値:50)<精白パスタ(GI値:65)

実際の食事における血糖値の上がり方は、その食品の調理法や食品のとり合わせ、食事時の体調などにより消化吸収速度は大きく影響を受けます。ゆえに、GI値はあくまでも単品の食品についての血糖の上昇程度を知るための目安として活用することが大切です。因みに、GI値は食品に含まれる炭水化物量を一定にし、摂取後の血糖上昇をブドウ糖やパンなどを基準(100)とした時の相対値ですので、炭水化物を含まない肉類等ではGI値の測定は不可能です。

②食後の血糖値をあげすぎないための、正しい食事の摂り方

食べ物を口に入れるとすぐに吸収される(血糖値が上がる)ことはありませんし、胃の中で一部消化が起きても血糖値は上がることもありません。血糖は食べたものが十二指腸に移送され、膵臓からの消化液が混合され本格的な消化が起き、その後に吸収され、血液中の血糖が上がります。

咀嚼していても、胃の中で一部が消化されていても小腸で消化・吸収されない限り血糖値が上がることは無いということです。そのため、血糖値が上がりだすには次のような時間が必要となります。

・歯で噛み砕かれ、飲み込まれるまでの時間(咀嚼時間)

・胃に入り消化粥になり十二指腸に送られるまでの時間(滞胃時間)

・十二指腸や小腸で消化され吸収されるまでの時間(消化吸収時間)

●滞胃時間を適正にする!

食後の血糖の上昇は、食べ物の小腸での消化吸収されやすさ以上に、消化粥として胃から十二指腸に送り込まれるまでの胃の中での滞留時間(滞胃時間)に最も影響を受けます。

一般に、滞胃時間は糖質(炭水化物)に比べタンパク質は2倍長く滞留します。脂質は胃内容物の早朝への移送を抑制します(胃の働きを抑制する)。そして脂質の分子が大きくなるほど胃の働きを抑制することになります。

お酢や乳酸のような分子の小さなものも同様に胃の働きを抑制する作用があり、酢の物や乳酸菌飲料、乳酸発酵食品などは一緒に食べたものの滞胃時間を長くする(血糖の上がり方が緩やかになる)作用があります。

油脂は血糖を上げやすい(前述のGI値の高い)食品の血糖上昇を緩やかにするとともに、腹持ちを長くする作用があります。

また、食品の滞胃時間は調理法によっても大きく影響を受け、同じ精白米のご飯でも糖質ばかりの茶漬けより、ラードなどでコーティングされた炒飯は滞胃時間は長くなり、食後の血糖値の上がりは緩やかになります。腹持ちが良くなるのはそのためです。

フランスパンよりクロワッサンのGIが低く、腹持ちが良いのはクロワッサンに含まれるバター(脂質)による効果です。勿論クロワッサンはフランスパンよりカロリーは高いですが血糖の上がり方は緩やかになるということです。

試しに総カロリーは同じにして、食パンにジャムを塗った場合(糖質だけ)とバターやオリーブ油をつけて食べた時では、食後の血糖値の上がり方もお腹の空き具合(腹持ち)も全く異なって来ることを実感できます。

要は、血糖値を上げずに腹持ちを良くするには脂質を増やすこと。ただし油脂が多すぎると胸焼けをおこしたり、次の食事時までに食欲を感じなくなります。

 

執筆者紹介
後藤 日出夫(ごとう ひでお)
1946年福岡県生まれ

工学博士 分子化学研究所(Advanced Prophylactic Support Lab)代表
米国ボルグワーナーケミカル社中央研究所、R.S.インガソール研究所。ゼネラルエレクトリック社中央研究所などにて、高分子ポリマーの合成やレオロジーの研究に従事。米国生活以降、多くの慢性的な疾患を発症するも治癒することなく、薬漬けの生活を長きに渡り過ごす。米国最新医療をもとに、各疾患の発症原因とメカニズム、治療方法を分子レベルの化学反応として捉える調査研究の結果、”食の恐ろしさと重要性”を痛感、試行錯誤の末、独自の疾病体質改善食事療法に辿り着き、数十年におよぶ疾患の全てを完治させた。
この自己体験に基づき、多くの人へ実践の輪を広げ、また指導できる仲間の育成を目的に「分子化学研究所(Advanced Prophylactic Support Lab)」を発足。多くの人が健康で楽しい人生を全うし、それを支える健全で安全な社会環境を築くべく日夜奮闘中。
著書「アレルギー・炎症誘発体質の真実」「片頭痛の治し方」「糖尿病がよくならない本当の理由」「女の子のクスリ」「脱認知症宣言」「鉄マグ欠乏症」などがある。

 

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