サッカーにおけるボールフィーリングの正体と基礎トレーニング期

ジュニア年代は、その後の専門化のための基礎トレーニング期と考えられている。

ボール感覚

サッカーはボールをゴールに運ぶスポーツだ。ゴールにボールを運ぶためには、シュート・パス・トラップ・ドリブルといった形式でボールを操作することが求められる。もちろん、それを妨害する敵がいるため、チームを構成する個々人には、高いボール操作能力が求められ、ジュニア世代ではそのためのトレーニングが主題に上がるが、ボール感覚という概念にも目を向ける必要がある。

ボール感覚とは、どの位の強さで蹴ると、どのようなボールが飛んでいくか、どの部位で触り、どのくらいの「力加減」だと、どこにボールが止まるのか、止めたい方向へボールを止めるにはどのような角度に足を向けるか、というような感覚を指す。この感覚はボール操作の質の部分に影響を及ぼす。

サッカーで要求されるボール感覚とは、リフティングや足技で養われる訳ではない。リフティングをしても、リフティングのためのボール感覚が向上するだけで、サッカーのゲームの中で使われないようなボールタッチは、そのための感覚を向上するだけなので意味はない。それらの感覚が、最も根本的で他のプレーの土台になるとは到底考えられない。空間、時間、動作、力加減が意識された中で、パス・トラップ・シュート・ドリブルを行うことで、ボール感覚は養われていく。

「技」の前の「体」 スポーツは偏った運動

基礎トレーニング期では、【基礎的(一般的)・全面的】なトレーニングが必要だと考えられている。全面的とは心技体を指し、それらへの取り組みがなされる必要ある。特にスポーツは「身体的(身体的運動技能が必要とされる)」であるため、「体」の部分にも関心が寄せられねばならない。自分の体を上手く扱えないのにボールは上手く扱えないだろうし、サッカーはボールを扱うだけでなく、様々な動きが求められる。

全身の強化、身体感覚・身体操作性などの向上が「体」における基礎とも言えそうだが、それらは多様な運動体験の中で培われるものだとされている。そして、それらがスポーツスキル獲得の土台(運動学習の土台)になると考えられていて、それら前提条件が整っていない時期における専門的な運動(サッカー)は悪い習慣がつくとも考えられている。特定の運動や動作ばかりを繰り返すこと(つまりサッカーばかりをすること)が、不良姿勢やスポーツ障害の発生に繋がるということだ。

基礎的・一般的・全面的ということが重要視される年代において、スポーツ(サッカー)は非常に偏った運動であるという理解や、前提条件の上に成り立つスポーツスキルの理解、サッカーを始める時期、サッカー以外の運動などへと、サッカーの指導という枠組みを拡大させることが重要であり、ジュニア年代の指導においてまず語られるべきは「体」の部分かもしれない。それは、ボールをどう扱う、どうボールを運んでいくか、どう守るか、という「技」の部分を、鉄は早い内に打てと言わんばかりに、いかに早く習得させ完成させるかという早期専門化の波を考えれば尚更です。

基礎トレーニング期では、サッカーのトレーニングは30%~50%で良いともされている。

サッカーの側面からだけでなく、様々な側面から考える

子供は大人の縮小版でないこと、スポーツパフォーマンスは多面的かつ統合的な現象であることなどを考えると、ジュニア年代では何が重要で、何にどう取り組むべきかを導き出す作業はそう単純なものではないかもしれない。サッカーだけでなく、あらゆる側面を考慮し、指導者の探究と対話が必要なのではないかと感じじる。

執筆者
Football Coaching Laboratory

 

 

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