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2017.05.05

毎日の食卓にのぼるダイオキシン類やメチル水銀

ダイオキシン類(アレルギー疾患への影響など)

ダイオキシン類は、ベトナム戦争時に散布された枯葉剤(不純物としてダイオキシン類を含む)でその猛毒性について広く認識されるようになりました(「ベトちゃんドクちゃん」で当時話題となりました)。

 また、ダイオキシン類はこのような催奇形性毒性以外にも、免疫毒性、肝毒性、ホルモン毒性(甲状腺ホルモン代謝障害)、中枢神経毒性や発がん性毒物としても認識されています。 このダイオキシン類が毎日の食卓に上っているとは信じがたいことかもしれませんが、それが現実なのです。

ダイオキシン類はどのように経路で食卓に上るのか?

ダイオキシン類は、塩素を含む物質(薬剤、漂白剤、塩化ビニル樹脂など)の焼却にともなう排ガス(家庭での焼却炉や、タバコの紫煙にも含まれる)と塩素系農薬(不純物として含まれる)の散布が主な汚染源です。

焼却炉排煙や農薬散布により汚染された土壌を通し雨水と共に川に流れ込み、川底、海底に堆積し、そこの棲息する魚介類によってダイオキシン類は濃縮されていきます。

特に、日本は作地面積が狭く(農薬密度が高く)水系に有害物質が集積しやすい地形である事も汚染が深刻化する原因でもあると考えられます。また、川底、池底、海底に堆積したダイオキシン類は、希釈・拡散されることはあっても、決して自然界で分解され消失することはありません。

過去、日本は世界最悪のダイオキシン排出国といわれていた時代もありましたが、今日では焼却設備等に発生源対策措置がとられ、農薬も分解性の良い有機リン系農薬へと切り替えられています(新たな問題が発生/6月度に説明予定)。

ダイオキシン類がアトピー性皮膚炎の原因!?

体内に取り込まれたダイオキシン類は体外に排出されることなく体内に蓄積されていきますが、唯一、母乳として排出されます。

厚生労働省のデータでは、母乳に含まれるダイオキシン類の影響として、「新生児の6.5%がアトピー性皮膚炎として出生し、母乳哺育では1年後に8%程度にまで増加するが、人口乳哺育では5.5%まで低下した」ということが公表されています。

ダイオキシン類を摂らないためにはどうする

ダイオキシン類のおもな摂取源は魚介類ですが、一方では魚介類は今日の食事情から不足しがちなオメガ3系脂肪酸の摂取源としては非常に有用、且つ積極的に摂取すべき食材です。そのため、魚介類についての摂り方については工夫が必要となります。

ダイオキシン類は脂溶性が高く、魚介類では脂身や内臓、皮などに多く蓄積されます。そのため、あんこうの肝、魚介類の内臓、ぶりなどの皮、天然マグロのトロの部分などに多く含まれることになります。

そのため、これらの摂取機会を少なくし、サンマ、サバ、イワシ、アジなど「手先から肘までより小さな青魚」を目安にすると「栄養」と「安全」のバランスが保てます。

有機水銀が神経発達障害やアレルギー疾患の原因にも?

水銀はどのようにして体に取り込まれるか?

水銀の恐ろしさについては、「水俣病」で広く認識されるようになりました。水銀被害は成人より子供や乳幼児と年齢が低いほど健康被害が大きくなることが分かっています。

近年、増加傾向にある自閉症、運動失調、知覚障害、感覚麻痺などの神経発達障害が有機水銀によるものであるとする報告が多くあります。

水銀は、水稲のいもち病用農薬として有機水銀が使われていたこともあり、水銀系農薬による汚染が広がった過去もあります。さらに、設備対策前の「発電用石炭ボイラーの排煙」や水銀を用いたさまざまな工業製品など「廃棄物の焼却排煙」などによる汚染も過去発生しています。これらのことから、日本人の体内水銀蓄積量は諸外国民に比べ非常に高いことが知られています。

有機水銀は食物連鎖により生体濃縮が起こりやすく、大型魚類(マグロやカジキなど)、海棲哺乳類(イルカや鯨)や水底棲息魚(キンメダイやアカガレイなど)に高濃度に蓄積されていることがあります。魚類では一般的に大型になればなるほど有機水銀(ダイオキシン類も同様)は蓄積されています。「栄養」、「安全」の面からダイオキシン類と同様な対応が必要です。

水銀が中枢神経障害だけでなくアレルギー性疾患の原因にも!?

水銀は中枢神経、内分泌、腎臓などの毒性以外にも、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患に関わる報告が多くあります。

食事から摂取したタンパク質がアミノ酸まで完全に消化され、体内に吸収されればアレルゲン(アレルギー症状を起こす物質)となることはありません。

しかし、最近の研究ではリーキーガットといい腸管に未消化タンパク質を取り込む切れ目(穴?)のようなものが生じ、グルテン(小麦成分)やカゼイン(牛乳成分)などをとり込み、それがグルテモフィンやカゾモルフィンといったヘロインのような麻薬様物質となり、神経系に多大な影響を与える可能性がある事が報告されています。

また、これらの未消化タンパク質が体内に取り込まれるとアレルゲンとしてアレルギー疾患の発症原因ともなるのです。

このリーキーガットは、抗生物質の服薬や高脂肪高たんぱく食(肉類など)や砂糖類の過剰摂取などにより腸管内環境が劣悪になることにより生じるといわれています。なお、食物繊維はダイオキシン類や水銀などの有害物質を吸着し体外に排泄する効果がるため、大いに摂取したいものです。

 

執筆者紹介
後藤 日出夫(ごとう ひでお)
1946年福岡県生まれ

工学博士 分子化学研究所(Advanced Prophylactic Support Lab)代表
米国ボルグワーナーケミカル社中央研究所、R.S.インガソール研究所。ゼネラルエレクトリック社中央研究所などにて、高分子ポリマーの合成やレオロジーの研究に従事。米国生活以降、多くの慢性的な疾患を発症するも治癒することなく、薬漬けの生活を長きに渡り過ごす。米国最新医療をもとに、各疾患の発症原因とメカニズム、治療方法を分子レベルの化学反応として捉える調査研究の結果、”食の恐ろしさと重要性”を痛感、試行錯誤の末、独自の疾病体質改善食事療法に辿り着き、数十年におよぶ疾患の全てを完治させた。
この自己体験に基づき、多くの人へ実践の輪を広げ、また指導できる仲間の育成を目的に「分子化学研究所(Advanced Prophylactic Support Lab)」を発足。多くの人が健康で楽しい人生を全うし、それを支える健全で安全な社会環境を築くべく日夜奮闘中。
著書「アレルギー・炎症誘発体質の真実」「片頭痛の治し方」「糖尿病がよくならない本当の理由」「女の子のクスリ」「脱認知症宣言」「鉄マグ欠乏症」などがある。

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