栄養論 栄養素

2017.05.18

高タンパク食が果たしてベストチョイスなのか? ②

前回は、タンパク質の重要性を再認識すると同時に「分類」を意識することをご提案しました。今回は分類を基に、さらに一歩踏み込んでタンパク質について一緒に考えていきましょう。

パフォーマンスを上げるための食選択の基準は、自然に近いかそうでないか

まず私の軸としている言葉をご紹介させて頂きます。

「人間は自然から離れれば離れるほど、健康からも離れる」

by 医学の父 ヒポクラテス

ヒポクラテスは、紀元前5世紀に活躍したギリシャの医師で、それまでの呪術的医療と異なり、健康・病気を自然の現象と考え、医学の基礎を作ったことで「医学の祖」と称されています。上記以外にも、数々の名言を残しています。

「食べ物で治せない病気は、医者でも治せない」

「食べ物について知らない人が、どうして人の病気について理解できようか」

「病気は、人間が自らの力をもって自然に治すものであり、医者はこれを手助けするものである」

「人間は誰でも体の中に百人の名医を持っている」

「病人の概念は存在しても、病気の概念は存在しない」

キーワードは「自然」です。ここで、自然の意味を再確認しましょう。

「自然とは、おのずからそうなっているさま。天然のままで人為が加わらないさま。人が自分たちの生活の便宜から改造の手を加えていないもの(広辞苑より)。」

私たち人間が、手を加えれば加えるほど自然から離れるということになります。ここで、天然のブリのお刺身と養殖のブリの竜田揚げについて考えてみましょう。お料理にブリ100gを使用したとしたら、タンパク質の摂取量としては同じですが、自然からの乖離度は全く異なります。天然のブリのお刺身は自然に近く、養殖のブリの竜田揚げは自然からかなり離れております。人の手がどのくらい加わっているかを、①遊泳範囲 ②餌 ③殺虫剤の3点について見てみましょう。

①遊泳範囲… 天然:大海原で制限なし。養殖:いけすで制限あり。

②餌… 天然:食べたい物を自らの力で食べる。養殖:抗生剤(アンピシリン・チアンフェニコール)や添加物(プロピオン酸・プリアクリル酸ナトリウム・ソルビタン脂肪酸エステル)を含む人間都合のものが与えられる。

③殺虫剤… 天然:不使用。養殖:寄生虫の発生の予防・解決の目的でDDT(有機塩素系殺虫剤)、フェニトチオン(有機燐系殺虫剤)、ヘプタクロル、 ディルドリンなどが使用されている。

上記3点の他にも、加熱or非加熱、衣の有無などを考えると、「高タンパク食だから積極的に摂取する」というような短絡的な思考では、パフォーマンスは上がりにくいことがお分かりになるでしょう。

栄養素以外のエネルギーを考えてこそパフォーマンスが上がる

ここで前回の4分類において、どちらが自然に近いのか考えてみましょう。

①食品と補助食品

②動物性と植物性

③陸上動物と水中動物

4足歩行と2足歩行

「人の手が加わっていない方はどちらだろう?」ということを想像すれば、おのずと答えは出てきますね。

①食品

②植物性

③水中動物

2足歩行

~理由~

①:補助食品は製品にするまでの加工度が高い

②:動物性は本来動き回るものであるにもかかわらず、人間が制限している

③:人間も陸上で生活しているため、陸上動物に対しての方が手を加えやすい

④:4足歩行動物の方が、多くの餌を必要とする(自然・環境への負荷大)

※全ての食品が該当するとは限りません。4足歩行動物においても自然に近いものがあることもまた事実です。

一度深呼吸をして頂き、周りを見渡してみましょう。現代の人間社会は、自然と共生していると言えるのでしょうか? 自然からかけ離れてしまったがゆえに不自然な状態に陥り、様々な問題が生じているのではないでしょうか?私たちは自然に寄り添うことで自然からのエネルギーをもらい、本来持っているエネルギーも高まっていきます。自然に近い状況に居て、自然に近い食品を感謝の気持ちを持って頂いてこそ、パフォーマンスの土台となる健康が増進されていくのです。

※こちらも合わせて読んで頂けると理解が深まります。


栄養素を考えない栄養学vol4 高タンパク食が果たしてベストチョイスなのか? ①
https://fcl-education.com/nutrition/nutrient/fcl-nutrition-protein/

執筆者紹介
久保山誉 
□保有資格
NESTA(National Exercise & Sports Trainers Association)認定
ニュートリション(栄養学)スペシャリスト
ダイエット&ビューティースペシャリスト
シニアフィットネストレーナー
ファイトライフトレーナー協会認定 ファイトライフトレーナー

静岡県生まれ(1976年)。高校時代よりレスリングを始め、大学時代に総合格闘技に転向。総合格闘技「修斗」にて、世界バンタム級4位まで登りつめる。基本的性分として「めんどくさがり屋」であるため、格闘技時代の減量においても「いかに楽にできないか」「心と身体にストレスがかかりにくい減量法はないか」と常に模索を続ける。その傍らフィットネスクラブで働き続け、個別運動指導6,000回以上、個別栄養指導600人以上を実施。60回以上に亘る自らの減量体験と、クライアントの減量体験を体系化し、「いかに楽にストレスをかけずにボディメイクをするか」ということを、書籍「たった10個のルールで疲れ知らずの極上の健康を手に入れる食事術」とDVD「栄養素を考えない栄養学~なぜ栄養素にとらわれないことが、極上の健康に繋がるのか~」にまとめる。

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