2017.12.18
守備的能力の重要性「マルアン・フェライニ」が試合に出る理由
世界で最も偉大なサッカーの監督をあげるとしたら、間違いなくモウリーニョかグアルディオラと答えるでしょう。
彼らの選手は世界中から集められたエリートであり、金額にするととんでもない額の選手ばかりです。
プレーも華麗(突出したテクニックがあるということが良いということではありません。)で、見ている人たちを楽しませます。
しかしながらモウリーニョ率いるマンチェスターユナイテッドの中に1人、身長は高いが、足が遅く、技術的にかなり劣っている選手がいます。マルアン・フェライニです。
日本でフェライニをスター選手と数える人は少ないでしょう。なぜなら日本ではより技術的に優れた選手が好まれるからです。
しかし、彼は試合にでます。(※2017年12月現在 怪我で離脱中)
背が高くボンバーヘッドで容姿は目立ちますが、彼のピッチでのプレーはあまり目立ちません。
おそらくただコーナーキックの時にチャンスを作れるからといって選手を起用する監督はいないでしょうし、フェライニはセットプレーの他に非常に優れている部分があります。
それは守備の面です。
プレミアリーグにおいて守備に優れた選手は非常に重要です。
なぜならこのリーグではスペインのようなパスサッカーをするわけではなく、攻守の切り替えが激しく、たった一つのチャンスを許せば試合が決まってしまいます。
フェライニは特に攻守の切り替えの部分で大きな働きをします。
前回カウンターアタックの事について書きましたが、攻守の切り替え後に得点が入る可能性は高いのです。
つまり、攻守の切り替え後の守備は非常に重要なのです。
具体的にどんないいプレーをしているのか、それは”常に周りを見ている””後ろから相手を追う”ことです。
常に周りを見渡し、自分がどこにいなければならないのか把握しています。
見えないところは首を振り状況を確認しながら周りの情報を得ます。
そうしながら相手のチャンスになるようなパスコースを切ったり、必要なタイミングで一度ゲームを止めるためにファールをします。
もう一つの後ろから追うことですが、守備のコンセプトの中では非常に重要なファクターです。
ただ追うだけでは意味がありません、ボール保持者が自分の位置を超えてしまった場合、全速力で後ろに戻り、守備に参加します。
そして直接対峙する味方のディフェンダーの手助けをします。
フェライニは自分がボールを奪われた場合でなくとも、このプレーを実行することができます。
こういったプレーをする事により、事前に相手のゴールへのチャンスを潰す事ができます。
ただ、試合の中ではあまり目立ちません、ディフェンス時も、シュートをスライディングで止めるようなインパクトもありません。
しかしながら基本的に攻撃的ミットフィルダーとしてプレーしながらも失点に繋がるような相手のチャンスを摘み取れるフェライニにモウリーニョは信頼を置いているのかもしれません。
以下の動画でイメージを膨らませてください。
執筆者
今井 謙太郎(いまいけんたろう)
□選手歴
町田ゼルビアユース
国士舘大学サッカー部
CF Canvidaled(スペイン5部)
□指導歴
ボカ・ジュニアーズ日本支部通訳
FCバルセロナキャンプ通訳
Soccer service (現地スペインコーチ)
CF Canvidaredトップチーム分析(スペイン5部)