栄養論 栄養と体

2017.02.13

栄養とは何なのか? それは動物・植物の命を頂く行為そのものである

「いただきます」「ごちそうさま」、この2つの言葉は食事の際に欠かすことはできません。しかし食べ物が溢れ返っている日本では、この2つの言葉への意識が希薄になりがちです。カロリー・栄養素をいかに効率よく摂取するかではなく「動物・植物の命を頂く」という視点に立ち、食事をする際の心構えについて考えていきましょう。

動物・植物の「命」と、代々受け継がれてきた長い「時間」をいただくのです

 1日3食の方は3回、1ヶ月だと90回、1年間だと1,000回以上食事をすることになります。その食事、今の日本はスーパー・コンビニで無数に並ぶ食品の中から、食べたいものを手軽な価格で手に入れることができます。また全国には80万店ほど飲食ができるお店があり、食べることに困るなんてことはほぼない、と言っても過言ではありません。

 そんな状況がゆえに「命」と「時間」を頂くことへの感謝の気持ちが芽生えにくいと言えます。私たちは、食べる事で生命を維持しています。もちろん、私たちが食している動物・植物にも命があります。

食事の際、あなたは毎食挨拶をしていることでしょう。その挨拶の言葉「いただきます」の意味を、ここで一緒に考えてみましょう。一体、何をいただくのでしょうか?

この言葉は「食卓に並んでいる動物と植物の命を頂いて、私の命に代えさせて頂きます」という意味です。もっと深く言えば、命には時間というリミットがあります。命を時間と捉えるなら、動物・植物が育った時間、はたまた調理される方の命の時間も頂いていることになります。「いただきます」は、命の尊さを考える打って付けの言葉なのです。

「命」と「時間」をいただいた後にも、しっかりと挨拶をしよう

 続いて「ごちそうさま」について考えてみましょう。漢字で書くと「御馳走様」です。「馳」という字も「走」という字も、「走る」という意味を持ちます。料理を食卓に並べるためには、まず食材を育てるために走る人がいます。続いて、食材をお店に並べるために走る人がいます。そして、その食材を買い集めるために走る人がいます。たくさんの人が走り回って、私たちの前に初めて料理として並んでいます。「走る」という意味の漢字を2つも重ねた上で、敬意をもって「御」や「様」という字をつけて、感謝の気持ちを表すのが「ごちそうさま」なのです。

 食事における「いただきます」「ごちそうさま」という挨拶は、練習や試合における「お願いします」「ありがとうございました」という挨拶と同じ意味を持ちます。いくら競技力が高かったとしても、挨拶ができない人間は、社会性を欠いていきます。栄養面を考える際、カロリーや栄養素について考える前に、まず挨拶を軽んじないことです。人として感謝の気持ちを育んでいく「いただきます」「ごちそうさま」、指導者としては競技の技術と同等に、しっかりと子供たちに伝えていく必要があるのです。

 

執筆者紹介
久保山誉 
□保有資格
NESTA(National Exercise & Sports Trainers Association)認定
ニュートリション(栄養学)スペシャリスト
ダイエット&ビューティースペシャリスト
シニアフィットネストレーナー
ファイトライフトレーナー協会認定 ファイトライフトレーナー

静岡県生まれ(1976年)。高校時代よりレスリングを始め、大学時代に総合格闘技に転向。総合格闘技「修斗」にて、世界バンタム級4位まで登りつめる。基本的性分として「めんどくさがり屋」であるため、格闘技時代の減量においても「いかに楽にできないか」「心と身体にストレスがかかりにくい減量法はないか」と常に模索を続ける。その傍らフィットネスクラブで働き続け、個別運動指導6,000回以上、個別栄養指導600人以上を実施。60回以上に亘る自らの減量体験と、クライアントの減量体験を体系化し、「いかに楽にストレスをかけずにボディメイクをするか」ということを、書籍「たった10個のルールで疲れ知らずの極上の健康を手に入れる食事術」にまとめる。

RELATED関連する他の記事
PAGE TOP