カウンターアタックがなぜ有効なのかを考える

全体の得点のカウンターアタックが占める割合は約35%と言われています。

これを聞いて、たった35%と思った方もいらっしゃると思いますが、サッカーでは約50%がセットプレーからの得点なので、この35%という数字は非常に多い割合です。そして残りの15%はオーガナイズされた攻撃からの得点です。バルサがディフェンスラインからボールを回し、相手陣地に少しずつ近づいていきゴールを決めるシーンをよく見ますが、これが全体の約15%しか起こりません。(FCバルセロナの場合、チームとしてオーガナイズされた攻撃で得点する可能性は一般的な割合より高いです。)

ではなぜカウンターアタックから得点できる可能性が高いのか

まずサッカーではどういった状況で得点が発生するのでしょうか、それは相手のディフェンスの本来保たれている秩序が解体、混乱している状況で発生します。

先ほども述べたように、オーガナイズされた攻撃を行う場合、ボールを循環させながら相手選手を動かし、前線にスペースを作り出したり、前進しながら少しずつ相手のオーガナイズされたディフェンスを崩していき、その隙や混乱を利用しながらゴールまでボールを運んでいきます。ただ、自分たちがボールを保持している状況で、相手選手を混乱させるのは非常に難しく、時間もかかるゆえ、何よりも、選手たちがサッカーを理解し、技術的にも優れていないと、この攻撃からの得点の割合を増やすことはできません。バルサがオーガナイズされた攻撃によって得点を量産できるのは、それぞれが戦術を含めサッカーを理解し、優れた選手たちが集まっているからです。しかしながら、それでもカウンターアタックからの得点の割合には届きません。

カウンターアタックの場合、カウンターアタックが起きる寸前に切り替えのフェーズが起こります。その切り替えの前はどういう状況かというと、相手がボールを保持し、自分たちに向かって攻撃しているということです。相手が自分たちに向かって攻めているということは守備のフェーズではないので、この時点で相手ディフェンスは全くオーガナイズされていません。ここでボールを奪い、切り替えのフェーズを通過し、カウンターアタックまで素早く局面を移動できた時、こちらは攻撃しながらも、相手はまだディフェンスをオーガナイズできていない状況が起こります。これはどういう状況かというと、先ほども説明したように得点が発生しやすい状況と言えます。よってカウンターアタックがオーガナイズされた攻撃よりも多く得点できる状況が発生し、得点の割合が高いことがわかります。

しかしながらカウンターアタックに移行できた際でも、相手ディフェンスが素早くオーガナイズしてディフェンスを始めた場合、得点の可能性は低くなります。

カウンターアタックの定義は色々と存在しますが、そういったルール(ボールを奪ってからフィニッシュするまでの秒数、パスの本数)よりも、相手ディフェンスが整う前に素早く攻撃することが大切だと考えます。

 

※こちらも合わせて読んで頂けるとサッカーに関する理解が深まります

情況で変わるドリブルの意味 ディフェンスはなぜドリブルするのか
https://fcl-education.com/training/performance/fcl-soccer-analysis/

ジュニアサッカーにおけるパスサッカーの弊害 ゴール(縦)を目指す意識の欠如
https://fcl-education.com/training/performance/fcl-possession-football-goal/

 

執筆者
今井 謙太郎(いまいけんたろう)

□選手歴
町田ゼルビアユース
国士舘大学サッカー部
CF Canvidaled(スペイン5部)

 □指導歴
ボカ・ジュニアーズ日本支部通訳
FCバルセロナキャンプ通訳
Soccer service (現地スペインコーチ)
CF Canvidaredトップチーム分析(スペイン5部)

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